CIYってなんだ?
皆さんご存知の通り「DIY」はDo it yourself(自分でやろう)ですが、「CIY」というのはCreation It Yourself(自分で作成する)です。
日本語訳をしてしまうと同じような意味になってしまうんですが、「DIY」は専門家ではない人が、材料を買ってきて一から物を作ることで、手間がかかりすぎてしまうため、今の時代の消費者には受け入れられません。
一方「CIY」は「人とは違うオリジナルのものをクリエイト(創作)する」というカスタマイズの形です。
分かりやすい例でいえば、以前書いた記事パワーシャッドのカラー選択でもちょっと出てきました「ナイキiD」です。
「ナイキiD」ではスニーカーを中心にバッグなんかもカスタマイズできます。まずベースとなるモデルを選んで、色柄やスペックなどをサイズを含めて14のステップで細かく設定できます。
そして、市販品とは違うまさに「自分だけの1足」が自宅まで送られてくるというわけです。
このようにCIYとは、自分だけのオリジナルを創作するんですけど、楽しい部分だけを自分でやって、組立てや製作などの、時間がかかったり面倒な作業は人(メーカー)に任せるということです。
CIYをはじめて成功させた企業「DELL」
世の中で一番初めにCIYビジネスを成功させたのは、1984年に設立されたDELL社です。創業者が大学生の時に寮の一室で始めたんですけど、受注生産システムを採用したPC販売というビジネスは大成功し、瞬く間に世界のトップ企業入りを果たしました。
DELLのホームページで基本となるPC本体を選んだあと、それに搭載するOSのスペックやOfficeのソフトの種類や有無、メモリやHDの容量を自分好みにカスタマイズ可能になっています。
これによって消費者は必要以上のスペックを搭載しているマシンを買わなくても済み、コスト面でもパフォーマンス面でも自分好みのマシンを手に入れられるというわけです。
そして、画一的な大量生産製品にありがちなミスマッチを防止することができるのです。
DELL社が他に先駆けてCIYビジネスを成功させてから30年以上が経った今、オンライン直販スタイルのPC販売はほぼすべてがこの形態をとっています。他業種に至ってもカスタマイズは世界的に広がっています。
ユニクロ、ナイキ、スターバックス・・・
先ほども紹介したナイキiDや、ユニクロでもオンラインでシャツを自分好みにオーダーできるというサービスを開始しています。スターバックスでもクリームの種類を変えたりトッピングで自分オリジナルのコーヒーが作れますよね。
身近な例でいえば、牛丼屋の「つゆだく」「ネギ抜き」なんかもカスタマイズですよね。
このように、CIYビジネスはわたしたちの生活のいたるところに広がっています。ここで挙げた大手企業だけでなく、多くのカスタマイズ企業があらゆる製品を提供しています。
探してみれば、既製品とあまり変わらない値段で、カスタム商品を入手することができます。提供する企業側としても、オーダーが入ってから制作すればいいわけで、過剰な完成品在庫を持つ必要もなく、コストも抑えられます。
ネット環境さえそろっていれば、広告から発注・発送まで少人数でも対応できるので、起業する側としても参入しやすい面があるのかもしれませんね。
釣り具業界にもCIYの導入を
みなさんリールのカスタムって好きですよね?ボクも大好きです。
でも、現状では既製品を買ってきて、そこからサードパーティーのカスタムパーツを買ってきて追加するっていう方法しかありません。
そうすると、交換したパーツはいらなくなってしまうわけで、その交換されたパーツに無駄にお金を払っているということになります。
例えば、よくあるケースでいえばバンドルノブの交換があると思います。純正のハンドルノブだってパーツとして購入すれば2000円とか3000円とかするわけです。
そこに新しく4000円の新しいハンドルノブに付け替えるということは、純正のハンドルにもお金が発生していますので、新しいハンドルノブに付け替えるということに対して合計7000円も掛かっているということになります。
実際には販売店による値引きがあるので、正確な数字ではないですが必ず余分な金額がかかっているということです。
そこでカスタムサービスをという話になってきます。リールなんて見た目は若干違いますが、中身はほとんどパーツの流用で出来上がっているものです。
それを、自由に組み合わせて自分オリジナルのリールが作れるなんてよくないですか?それをナイキiDのように、オーダーできるような仕組みを作ったらいいと思いません?
ダイワもシマノも自社内に「RCS」と「夢屋」というカスタムブランドを持っていますので、それと既存のパーツを組み合わせてオーダーできたら、メーカーとしても付加価値のあるパーツをつけて単価アップできます。
ユーザーとしても今までカスタムのために、余分に払っていた純正パーツ代を支払わなくて済み、カラーバリエーションまで付けられれば「自分だけのオリジナルリール」が手に入るということで「WIN-WIN」の関係になると思います。
ダイワは一度セルテートの赤いのとか発売して失敗してますけど、ボクが思うにあれは店頭販売だったから失敗したのだと思います。
ネットを使ったカスタマイズであれば既製品と同等のコストで作れると思いますので、このネット環境が発達した時代にもう一度やってみてほしいです。時代の先を行きすぎましたネ、今なら時代が追い付いていますヨ。
釣り具業界は問屋とかがいまだに力を持っているので、流通面とかでめんどくさいのかもしれませんが、新しい試みとして挑戦してください。
とりあえずボクは買いますよ。
Commentsこの記事についたコメント