最近ソルト関連ではほとんど見ることはなくなりましたが、10年くらい前まではメガバスのルアーやらシードライブなんかが店頭でもちょっとプレミアム価格が付けられて販売されていたのを思い出します。
あれ以来、ルアー業界も健全化されて、そういった類のことは行われていないんだろうと思っていたのですが、バス業界ではいまだに存在していました w
最近発売されたバス用のミノーが、海でも使えそうだったのでちょっと気になって調べていました。
アマゾン販売商品としてはすべて売り切れだったんですけど、マーケットプレイスとして出品されていたものは定価の2倍以上の価格で出品されていました。
ヤフオクでもそこまでの価格はついていませんでしたが、軒並み定価の1.5倍以上で落札されていたのでちょっと驚いてしまいました。
メガバスルアーのプレミアム価格終了は生産設備の増強によるもの?
記憶にある方も多いと思いますが、バスバブルの頃はPOP-Xが1個5000円とか1万円とかで売られていました。
当時のメガバスは自社の生産能力が追い付かないという理由で、少量生産しかできなかったみたいです。
それにバス釣りブームという追い風もありましたので、あのような状態になってしまったのだということを当時どこかで聞いた覚えがあります。
でも、作れば右から左に売れていた時代に、なぜすぐに生産設備の増強を図らなかったのか疑問です。
自社で樹脂を打っているのであれば、成形機の1台や2台なんて簡単に買えるはずです。もし仮に現金がなかったとしても、充分な売上を上げていた優良企業であれば、銀行だって簡単にお金を貸してくれたはずです。
いま考えてみると、なんだか腑に落ちない話です。
その後、生産設備の増強を図って安定供給できるようになったため、メガバスルアーの流通量も増えてバカみたいなプレミアム価格はなくなっていきました。
俗にいうバスバブルも弾けて、バス人口もガクンと減ったので、需要と供給のバランスが取れるようになって現在に至ります。
自社で生産できないメーカーはOEMで制作
ルアーメーカーとしてやっている会社は、大きく分けると2つに分類できます。
自社でルアーの開発から生産までできる会社と、自社でルアーの開発生産ができない会社です。
はっきり言って前者はそんなに多くありません。数でいえば圧倒的に後者の方が多いと思います。
実際ルアーメーカーを立ち上げて、生産設備を一式揃えるとなるととてつもない金額が必要になります。
そこまでの資本が用意できて、なおかつノウハウも持っていなければ、そう簡単に始められません。
そこで、多くのルアーメーカーが採用しているのが、生産設備を持っている会社にOEMとして仕事を出して、設計から量産までやってもらうという形式です。
自分たちがすることは、口を出すこととちょっとしたテストくらいです w
もちろん自社でCAD設計まで行う場合もあるでしょうが、ある程度の形さえ決まっていればそれをちゃんとした形にしてくれるので、お金さえあれば初心者でもルアー製作は可能です。
ですので、生産能力がないルアーメーカーだとしても、仕事を請け負っているのは設備が全部揃っていて、尚且つこれまでの経験とノウハウも持っているメーカーなんで、どんなに複雑な構造だとしても量産する能力は整っています。
もし、自作ルアーに興味があればOEMを請け負ってくれるメーカーに相談してみてはどうでしょう?
数百万出せば、設計から金型製作、組立てまで全部お任せで、オリジナルルアーがパッケージングされて、あとは売るだけの形で納品されると思いますよ。
わざと流通量を減らしてプレミアム感を出しブランド力を上げる
新製品をバンバン開発する能力があるのならば、それなりの設備は揃っているはずなので、量産能力がないっていうのはうそだと思います。
内職みたいな規模のハンドメイドのルアーメーカーなら、本当に手作りなんで生産量が限られているのは分かりますが、
樹脂製のルアーは、工業製品なんで時間と人手さえあれば数は無限に作れます。
過剰在庫になってしまっても困りますから、その辺りの個数に関しては本来であれば、需要と供給のバランスの取れた位置を目指しているはずです。
でも需要に対して、意図的に供給量を制限して顧客の購買意欲を掻き立てるという方法は、「釣れるルアーだから欲しい」じゃなくて、「希少ルアーだから欲しい」という本来のルアーの目的とはかけ離れた方向へ向かってしまいます。
オールドルアーコレクターという方もいらっしゃいますし、コレクションして眺めるのが趣味という方もいますので一概には悪いとは言えませんが、
実際にそのルアーを使いたい人からすれば、迷惑な話ですよね。
そうなってくると、信者と呼ばれる一部の人達からしか支持されず、一般のアングラーからは相手にされなくなると思いますので、今後そのメーカーの企業としての成長は打ち止めになってしまうと思われます。
メーカーとしては釣具店に卸す価格は変わらないので、プレミアム価格が付いて儲かるのは転売屋だけなのに、生産調整してまで希少価値を高めるメリットがあるのか疑問を感じます。
欲しい人の所に適正価格で届けるのが「良いルアーメーカー」なのではないでしょうか。
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